【写真】★JEAは美しい世の中を創造する 〜世界金融危機と自然保護活動〜
2008.10.10 (Fri)
アフリカゾウは、長年にわたり密猟によって大幅な減少を続けていたが、国際自然保護連合の2008年度版レッドリストでは保護の優先度が絶滅危惧II類から準絶滅危惧に引き下げられた。(Photograph by Michael Nichols/NGS)

「世界的な金融危機の影響で、地球環境保護の最近の取り組みも危機に陥る恐れがある」という専門家の意見が8日、スペインのバルセロナで行われている国際自然保護連合(IUCN)の会合で出された。
「アメリカ発の深刻な金融危機は世界中に波及する可能性が高く、対策に追われる政府によって今後数年間、自然保護活動は後回しにされていくのではないか」とIUCNの作業部会の議長アレハンドロ・ナダル氏は述べている。
さらに、不景気で経済的圧力が高まり、それが環境に悪影響を及ぼす可能性もあるという。
例えば、不足する財源を確保するため、政府が採鉱や石油、天然ガスなどの資源開発に頼ることも予想されるからだ。
もっともナダル氏は次のようにも語っている。
「この不景気をきっかけとして、消費の拡大や社会的格差、富の集中などが継続することへの危機意識も高まるとすれば、それは良いことだ。IUCNでは『レッドリスト』という絶滅が危惧される野生生物のリストを作成しているが、現状のまま意識を改めなければ、人類が真っ先にレッドリストに載るようになってしまうだろうから」。
今回の経済危機で社会的プログラムへの支援が大幅に削減されると、世界各地の保護地域周辺に存在する地域社会が打撃を受けることになる。
海洋に浮かぶ保護区域の島々では、支援を失って貧困にあえぐ地域住民が、日々の生活のために森林や海洋上の航路などで自然資源の略奪行為に走ることも想定されるという。
アメリカに本拠を置く非営利団体ザ・ネイチャー・コンサーバンシーのディレクターであるグレッグ・フィッシュバイン氏も、「人々の生計が脅かされた状況で乱獲や伐採が進むのは明らかだ。そのためにも、経済危機とはいえ環境保護の長期目標が見失われることがあってはならない。特に気候変動の問題には集中して取り組まないと、現状よりもはるかにひどい最悪の経済状況を招く恐れがある」と話している。
イギリスの政府経済庁が2006年にまとめた報告によると、いま環境保護行動を起こせば全世界の国内総生産(GDP)の合計額のうち1%を費やすだけで済むが、何も行動を起こさずにいれば、最終的にGDP合計額の20%をつぎ込まざるを得なくなるという。
IUCNのナダル氏は、問題を解決するには規制の再強化が必要だと考えている。
自由化された金融セクターを再び政府の管理下に置けば、世界市場が安定して金融危機の緩和も見込めるからだ。
メディア業界の重鎮で慈善家でもあるテッド・ターナー氏は、IUCNの会合の開会式で軍事予算の転用を呼びかけている。
「約5000億米ドルのアメリカの軍事予算は現在イラクに費やされているが、そこにどれほどの意味があるというのか。自然保護のために投入した方がずっと良いのではないだろうか」。
(NATIONAL GEOGRAPHIC より)



「世界的な金融危機の影響で、地球環境保護の最近の取り組みも危機に陥る恐れがある」という専門家の意見が8日、スペインのバルセロナで行われている国際自然保護連合(IUCN)の会合で出された。
「アメリカ発の深刻な金融危機は世界中に波及する可能性が高く、対策に追われる政府によって今後数年間、自然保護活動は後回しにされていくのではないか」とIUCNの作業部会の議長アレハンドロ・ナダル氏は述べている。
さらに、不景気で経済的圧力が高まり、それが環境に悪影響を及ぼす可能性もあるという。
例えば、不足する財源を確保するため、政府が採鉱や石油、天然ガスなどの資源開発に頼ることも予想されるからだ。
もっともナダル氏は次のようにも語っている。
「この不景気をきっかけとして、消費の拡大や社会的格差、富の集中などが継続することへの危機意識も高まるとすれば、それは良いことだ。IUCNでは『レッドリスト』という絶滅が危惧される野生生物のリストを作成しているが、現状のまま意識を改めなければ、人類が真っ先にレッドリストに載るようになってしまうだろうから」。
今回の経済危機で社会的プログラムへの支援が大幅に削減されると、世界各地の保護地域周辺に存在する地域社会が打撃を受けることになる。
海洋に浮かぶ保護区域の島々では、支援を失って貧困にあえぐ地域住民が、日々の生活のために森林や海洋上の航路などで自然資源の略奪行為に走ることも想定されるという。
アメリカに本拠を置く非営利団体ザ・ネイチャー・コンサーバンシーのディレクターであるグレッグ・フィッシュバイン氏も、「人々の生計が脅かされた状況で乱獲や伐採が進むのは明らかだ。そのためにも、経済危機とはいえ環境保護の長期目標が見失われることがあってはならない。特に気候変動の問題には集中して取り組まないと、現状よりもはるかにひどい最悪の経済状況を招く恐れがある」と話している。
イギリスの政府経済庁が2006年にまとめた報告によると、いま環境保護行動を起こせば全世界の国内総生産(GDP)の合計額のうち1%を費やすだけで済むが、何も行動を起こさずにいれば、最終的にGDP合計額の20%をつぎ込まざるを得なくなるという。
IUCNのナダル氏は、問題を解決するには規制の再強化が必要だと考えている。
自由化された金融セクターを再び政府の管理下に置けば、世界市場が安定して金融危機の緩和も見込めるからだ。
メディア業界の重鎮で慈善家でもあるテッド・ターナー氏は、IUCNの会合の開会式で軍事予算の転用を呼びかけている。
「約5000億米ドルのアメリカの軍事予算は現在イラクに費やされているが、そこにどれほどの意味があるというのか。自然保護のために投入した方がずっと良いのではないだろうか」。
(NATIONAL GEOGRAPHIC より)
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